反町です。

松山にきゅーんvとなってからだいぶ経ちました。宣言通り、アタックし続けています。
ところが。そこは粘りの松山、全日本ディフェンスの要。そう易々とは落ちません。
・・・そして無意識なんだろうけど。やっぱり奴の強い眼差しはあの人を捉えています・・・。

「松山〜v」

いつもの様に荒鷲を捕まえるべく、アタックをしかける。
「はい、はい。」(溜息)
いつものように軽くいなされてます、俺。
松山が日向さんに撃沈した時になんつーか、偶然目の当たりにしてしまった奴の泣き顔。
その時の顔が、声が俺から消えない。日向さんなんか、やめろよ。俺にしなよ。
でも解かってる。そんな直ぐに無理だって事。だから気長に俺を見てくれるまで待つよ。

そう思っていた。あの時までは。

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見たくなかった。
松山と日向さんが二人きりでいる場面なんて。
どんな経緯か知らないけど、両手首を捉まれ壁に留められている松山。
真剣な眼差しで松山に問いかけている(ような)日向さん・・・。
俺は気付かれないようにその場から逃げ去るしかできなかった。
今更何をあんなに真剣に話すことがあるって言うんだ?近すぎる距離。抵抗しない松山。
じゃあ、あれか。告られたら好きになったってやつか?俺が松山にくっついてるのを見て惜しくなった?
・・・俺の中の嫌な感情が大きくなる。
部屋に戻りベッドに寝転がる。落ち着けよ、俺。もっとクールでドライだったはずだろ?
でも、なんだよこの痛さは・・・。
そのとき
「反町―。宿題教えてくんねぇ?ってゴメン、寝てた?」
ノックもせずにいきなり松山が入ってきた。なんでこのタイミングだよ・・
「・・・。いいよ。」
「悪ぃ、ごめんな。」
そう言ってニッと笑う。
松山が俺に宿題を訊きに来るのはいつもの事だった。
数学と英語が苦手なようだがちょっと俺がヒントを出すとスッと正解を出すのだから
授業中上の空か寝ているかだろう。

さほど時間も掛からず宿題が終わりそうになった頃、松山が話し出した。
「ひゅーがが、さ・・」
また俺の嫌な感情が、抑えていた感情が大きくなってきた。
ヤメロ、あの人の話なんて。俺の前でするな。
「反町?」
俺の態度を不審に思ったのか松山が顔を寄せてくる。

ヤメロってば!やめてくれよ、松山。でないと、俺・・・。
俺は立ち上がると昼間そうされていたように松山の両手首を掴んでそのまま押し倒し床に繋ぎとめた。
そして驚いた奴が何か言うより早く口付けた。

「んんっ!」
抗議の声?ダメだよ、松山。解放してやらない。歯列を割り上顎を擦り、舌を絡め取る。
角度を変えて甘い口唇をあじわい、
更に外耳へと舌を這わせ首筋を辿ると小さく「んっ!」とか「あっ!」とか声を漏らす。
たまらなくなり掌をTシャツの裾から滑り込ませるとピクン!と身体が撥ねた。

酷く暴力的な感情に動かされコイツを泣かせたい、メチャクチャにしたい、俺でいっぱいにしたいと思った。
今どんな顔をしてる?
目線を上げると大きな瞳は俺を見つめ、生理的なのか解からないが涙が伝っていた。
その眼差しは俺を正気に戻すには充分だった。

松山の顔を直視できず身体を離した俺は小さく「ごめん。」としか言えなかった。
相手の気持ち、意思を無視してこんなことをした俺はサイテイだ。
松山はゆっくり身体を起こし息を整えるとやっぱり小さく「うん。」と言った。
ごめん。ホントにごめん、松山。
俺のこと、嫌うには充分だよな。
「・・・あのさ、反町。」

沈黙を破ったのは松山だった。
「何か、あったのか?俺、驚いたけど、オマエなんだか凄く辛そうに見えて・・・」
勘弁してくれ。ふざけんなって怒れよ。なんでこんな事されて俺の心配してんだよ!
もう限界だった。理性が、いつもの俺が押しやられていく。汚い嫌な感情に支配されてしまう。
「訳も無くこんな事するおまえじゃねぇだろ。」
やめてくれ、気遣うなよ。こんな俺を。
「・・・おまえのせいだ。」
「え?」
「全部、おまえのせいだ。松山のせいだ!おまえを好きにならなきゃ、俺はこんな気持ちにならなかった!」
違う!そうじゃない!松山は悪くないだろ!自分が好きになったんだろ!
わかっているのに、こんな事言いたくないのに。
「軽蔑しろよ、してくれよ・・・。汚いんだよ、俺は。」
そう。
俺を好きになるまで待つ、なんて松山の気持ちを大事にしているような事をいって
自分が傷つく事を避けていた。
そのくせ日向さんに挑むだけの根性も無く。嫉妬心だけは一人前で。
好きだ、なんて言ってるけど本気で松山に伝えようとしなかった。
だから松山は本気で返さなかったんだ。・・・ようやくわかった。

「反町・・・。やっと俺に本気で、素のままで言ってくれたな。」
ハッとして松山を見ると穏やかに微笑んでいた。そして俺の頭を抱えるようにギュッと抱きしめると・・・
「うれしい。」
小さく、でもハッキリと言った。
「ま、つやま・・・。」
俺たちは見つめあうとどちらからともなく唇を重ねた。
それはさっきの乱暴なものと違い、優しく嬉しさと愛しさを感じた。

・・・気持ちいい。止められない。それは松山も同じのようで俺の舌に応えてくる。短い吐息と水音。
チュッと音を立て名残惜しく離れると松山は、はぁ、と息をついた。
好きなら、好きになってほしいなら本気で、本音で伝えなくちゃだめなんだ。俺は意を決して言った。
「松山。・・・俺を好きになってくれ。おまえがどうしようもなく、泣きたいくらい好きだ。」
「・・・うん。俺も、反町が好きだよ。」
「え・・・?でもまだ日向さんの事、ふっ切れてないんじゃ。」
「確かに今も日向の事、好きだよ。尊敬もしてる。好きの意味は変わったけど。」
「でも、日向さんをいつも見てるじゃん。だから俺、まだ好きなんだと思って・・・」
「上手く言えねぇけど、純粋にライバルに戻ったって言うか。ライバルは気になるだろ?」
「あ、ああ、まあ。」
「俺としちゃ、反町の事見てる方が多くなったと思うんだけど、気付かなかった?」
「マジですか・・・。」
そうか。俺、松山の事わかったつもりになってちゃんと見てなかったんだ。
こんなに真っ直ぐに俺を見てくれるヤツなのに。

そうして松山はポツリポツリ話し出した。失恋した時、
俺のおかげで踏ん張れた事、転入してから何かと助かったって事。
他にも驚くほど俺を見ていて本当の俺をわかっていた。
さすが全日本の副キャプテンだぜ・・・。

「そのうち気付くと反町を見ている自分にちょっと驚いたけどな。」
と言って照れたように笑った。

笑顔に見惚れていると改まって松山が言う。
「え、と。それで俺たちって好き同士って言うか。つ・・・付き合うって事で?」
驚いて顔を見れば真っ赤だ。嬉しくなって松山に抱きつき力いっぱい答えた。
「モチロン!喜んで!!」
勢いのまま松山を押し倒す。このままさっきのキスの続きを・・・!と顔を寄せたら両頬をムニッとされた。
「チョーシに乗んな!」
「今乗らないでいつ乗るんだよ?」
クスッと笑って「しょーがねぇなあ。」と言ったのをお許しが出たことに決め付け、今日、3度目のキスをした。
それはそれは極上に甘く痺れるような・・・。

その後の事は、秘密です。
ただ松山が物凄く可愛かったvとだけ言っておきましょう。
思い出すだけで、そりゃあもう・・・!(いらんこと言うな!by松山)



おしまい


みゃあ様〜っっ☆続き!!続きです!!ありがとうございました!!
もうもうvvそりそりってばやりましたねっっ
クールでドライなそりそりも、松山相手には理性もぶっとんじゃうのね…
そんな反町、かわいすぎvv
きゅーんなお話、本当にありがとうございました〜っっ

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