<in東邦設定>

 2/14、世間様ではいわゆるバレンタインデーってやつで浮かれている。
だが。
学年末考査を明日、明後日に控えた俺にはそんな余裕は無くて、
日曜って事もあり朝から部屋に籠り机に向かっていた。
特待生だからって優遇されることも無く、むしろそれなりの点数を取らねば非常にヤバイ。
ヤツも同様で、自然、同室の俺達は黙々と悪あがきを続けていた。

ふいに松山がんーっ、と伸びをして立ち上がった。
「どうした?休憩か?」
「ん、まあ、そんなトコ」
そう言うと「ちょっと。」とかいって部屋を出て行った。
ま、トイレだろう。
俺も集中が途切れたので立ち上がり軽く伸びをする。
早くテストが終わって思い切りサッカーがしたい。
4月になったらタケシもくるし、松山が転入したことで俺はより安心して攻められる。
なんて考えていたら松山が戻ってきた。

「日向」
「おう」
「ホラ、これやる」
そういって寄こしたのは缶ココアだった。
「なあ、ココアってカカオ豆が原料って知ってた?」
「あ?ああ、そうだな」
何を言い出すんだ。それがどうした?
「そしたらさ、チョコもカカオ原料なんだよな」
うん?なんだこの流れは。もしかしたら・・・
「ば、バレンタインに籠って勉強だけってどうかと思うからさ、やるよ」
薄っすら赤くなって目線を合わせずにそう言った。
それは、バレンタインチョコをくれたって意味でいいんだよな?

「飲めよ、冷めちまう」
「え、あ、ああ。・・・サンキュ、松山」

付き合ってはいるものの、天邪鬼で、
メチャクチャ照れ屋のコイツから貰えるとは思っていなかったから戸惑いと嬉しさで固まっちまったぜ。
ありがたく頂戴するかと一口。ところが余りの激甘加減に咽せてしまった。

「・・・おま、これ甘すぎんぞ!!」
「あ、やっぱり?買ったのはいいけどさ〜、成分表読んでたらなんか飲む気が失せて。
 でも勿体無いじゃん?まあ、脳に糖分送るといいらしいから飲んどけよ」

はあ!?なんじゃそりゃ!!けっこう、いやかなり喜んだ俺の純情を返しやがれ!!

「松山。貰いっぱなしもなんだし、俺もやるよ」
負のオーラを出しながら松山の手首を掴んだ。
「い、いらねえ!」
「遠慮すんな」
そういって缶ココアを口に含むとまんま松山に口移しで飲ませてやった。
そのまま舌を絡めとり抵抗できなくなるまで貪り、結局ココアよりもずっとずっと甘い松山を貰った。

翌日行われたテストの結果は揃って追試になったのは言うまでもない。




----- 後日談

「日向さん、V.Dに松山から貰ったんですか?」
「あ?甘すぎる缶ココアなら貰ったが」
「ほう、良かったじゃないですか」
「よかねえ。買ったけど飲む気が失せたからやる。ってほざきやがった」
「・・・アンタ、なんか文句言いませんでした?」
「いや、甘すぎッて・・・」
「アンタ、やっぱりバカですね。全然ヤツの事解ってない。」
「・・・」
「反町になにやら相談してたんですよ。真っ赤になってね。ココア、ヤツの精一杯だと思いますがね」
「・・・!待ってろ、松山!!今行くぜ!!」(猛ダッシュ!!)

やっぱ、バカだ。あの人・・・。でもほっとけないんだよな。俺も、反町も。


BBSから移させていただきましたvv
みゃあ様!!素敵なVD話ありがとうございました☆
ラブい… ラブいぜお前らーーーーーっっ
なにやら追試になった訳は、この後がっつり続きをいたしたからだとか??
むふふふ…
そちらも是非読みたいですなあ… みゃあさん続き続き!!!(おいっ)
メールが無事送れるようになったら是非vvv(コラっ)

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