バカみてぇに晴れた日だった。
抜けるような青空に、真っ白な千切れ雲が幾つか浮かんでいる。
ああ、これが五月晴れってんだな・・・なんて、ぼんやりと思う。
遠くで、どっかの学校のチャイムの音が聞こえた。
松山は困り顔で、さっきから目線を泳がせたままだった。
倉庫の壁にもたれかかって、前を開けっぱなしのジャージのポケットに手を突っ込んでいる。
それを伸びるぞっつーくらい下に引っ張って、ようやく目線は自分の足元あたりに落ち着いたようだ。
「・・・・・それは、どういう意味、なんだ?」
ようやく、小さな声でぼそぼそと言った。
「何がだ?」
「だから・・・ その、友達とか、チームメイトとか、そういうんじゃなくってって・・・」
「そのままの意味だ。」
松山は上目遣いでようやく俺の顔を見た。
「恋愛感情だって、言えばわかるのか?」
「っ・・・///」
耳まで真っ赤にして、「ばっかじゃねえの?!」と言って横を向く。
「俺もお前も男なんだぞ!」
「ああ。」
「ああ、じゃねえよ!冗談は顔だけにしやがれ。」
「冗談でこんなこと言わねえよ。」
少々カチンときたのもあり、正直、松山の反応がいちいちかわいくて、ちょっと揶揄いたくなったのもありで、
俺は松山を挟んで壁に両手をつけ、わざと顔を近づけて言った。
「信じねえんだったらもう一回言ってやろうか?俺は、お前が好きだ。」
「///」
「俺は、松山光が恋愛対象として好きだ。」
「ひゅう・・・」
「俺は、お前とキスしたいし、お前とヤりたい。」
「?!///」
「いで!!!!」
松山の右足が、俺の左脇腹に思いっきり命中・・・
思わず脇腹を押さえてよろめいた。
「何しやがる・・・ 利き足だったろ・・・」
「いっぺん死ね!変態!」
「てめえが信じねえから悪いんだろうが。」
「そーゆー問題じゃねえ!」
松山は俺から少し離れると、ガッとグラウンドの土を蹴った。
しばらく何か考えた風で、それからゆっくりと振り返ると俺を睨んだ。
「・・・・だいたい、男同士でどうするっつーんだよ・・・ ホント、お前、どうかしてんじゃねえの・・・」
「・・・・・・・・」
どうして、そう感じたのか、よくわからない。
確かに松山は俺を睨みつけているはずなのに、その眼の奥には、どこか戸惑いのような憂いのような・・・
松山の向こうにある空の青が、やけに眩しく映った。
気づけば俺は松山の腕を引き、試合で得点した時なんかよりもずっと、強く抱きしめていた。
「・・・・いてぇよ、日向・・・」
「これくらい強くしねえと、信じないだろ・・・」
「・・・・だから、俺がそれ、信じたからって、どうだってゆーんだよ・・・」
途切れ途切れのくぐもった声。
もう一度力を入れて抱きしめると、ためらいがちに松山の腕が俺の背中にまわされた。
「お前はバカだ。」
「ああ。」
「俺たちはチームメイトで、男同士なんだぞ。」
「ああ。」
「お前はイタリアで、俺は北海道なんだぞ。」
「そうだな。」
柔らかい風が頬をくすぐった。
あいかわらず空はバカみたいに青くて・・・
あまりにもバカみたいに晴れてるから、先のことなんてどうでもいいと本気で思う。
松山にキスをしながら、そんなことを考えた。
いつもダラダラ長くなってしまうので、ピンポイントでシーンを決めてみました。
で、「告白」デス。
いつも思うのですが、マツコジで想いが通じ合う瞬間って難しい〜〜っっ
なにせ基本はケンカですからねえ。
どの時点でどっちが折れるか・・・みたいなのが・・・
あるいは、もう、動物的直感とかだな、こいつら。(笑)
あと私、基本的に知識がWYくらいまでだものですから、
日向さんはイタリア、松山くんは北海道!って思ってんですよ・・・
その後移籍したりしてるんでしょうか・・・(汗)
最近YJも真面目に読んでないしなあ・・・。ダメッ子だなあ・・・。
もしかしたら逆バージョン(松→日)も書くかもしれませんが、もっと難しそう。(汗)