合宿の最終日。
全ての日程を終え後は帰るばかり… とベッドの上でダラダラしていると携帯が鳴った。
(反町からだ。)
同じ建物の中にいるのだから直接話にくればいいのに、と思いながらメールを見ると
『反町&新田部屋集合。三杉先生には絶対秘密v』
なるほど。
それでメールなのか。
「…どうかしたのかい?」
まるで何かしらを感じ取ったかのように、今回同室の三杉が俺に尋ねた。
すでに荷づくりも終え、ずいぶん前から机に向かって何か書き物をしている。
相変わらず隙のない真面目ぶりだ。
「いや。俺ちょっと岬んとこ行ってくる。」
「そう。いいけど、松山、まだ荷づくりしてないんだろ?」
…う。
「君、いつもギリギリでバスに遅れるんだから。」
「スミマセン」
「今日のうちにやるんだよ。」
「はーい。」
これ以上お小言を言われる前に、と、俺はそそくさと部屋をあとにした。
「まっつん遅ーい!」
「わり。」
反町と新田の部屋に行くと、井沢、来生、滝の南葛トリオが並んでいた。
それから、早田と立花兄弟、日向、若島津。
あとは新田に無理矢理連れてこられたくさい佐野。
一体何の集いなのか… 全く想像がつかない…
「…何?」
「まあまあ、座れよ。」
狭い部屋ですでにぎゅうぎゅうなのに、俺は無理くりその輪に加わった。
腰を落ち着けてから改めて顔ぶれを見てみたが、やっぱりなんだかわからんメンツだ…
まあ、しいて言えば、どちらかと言うといつも悪ノリして怒られるタイプの集まり…か??
日向と若島津はちょっと別だけど。
ふいにさっきの三杉の顔が頭をよぎった。
「じゃ、揃ったところで」
言いながら反町はごそごそと何かを取り出した。
「恒例の大すごろく大ー会ーーーっっ」
「いえーーー!!!」
……はい???
取り出したのは模造紙に書かれた手作りすごろく。
ところどころに青い付箋が貼り付けてあるのがとても怪しい。
っつか、いつの間に作ったんだ??反町…
キッチリ全員分のコマまであるし。
それから見覚えのある赤いサイコロを取り出した。
これは… サイコロキャラメルか!!!
「…なあ、何でこのメンバーなの?」
隣にいる佐野に尋ねた。
「よくわかりませんけど… 俺は3度目です。」
「え?!今までもやってたのか?!!」
「最初は東邦組だけだったみたいですけど。」
佐野の話では回を重ねるごとに人数が増えているらしい。
「毎回のことですが、命令は絶対、デスカラ。よろしく。」
反町がニヤリと笑って言った。
コワイ。なんか、とてもコワイんですけど…。
みんなの目がだいぶ真剣なあたり、付箋をはがすと結構なことが書いてあるんじゃ…?
っつか、これもう強制参加なのか??
俺、一言も「やりたい」なんて言った覚えはねえんだけど…。
そんな俺の心配など当然関係なく、順番を決めるジャンケンが始まった。
最終的に来生が勝って、そこから時計回りということになった。
「じゃ、一番手。いきまっす!!」
サイコロを振る。
出た目は「2」
「1、2。はい、じゃーめくるよー。」
ジャジャン!と自ら効果音を付けてくれる来生。
「…合宿メンバーの誰かのモノマネ。」
「おおーっっ」
「えーっと、じゃあー、若林さんの歯磨き。」
………
細かすぎる!!!(でもなんとなく似てた気がする。)
と、そんなこんなで、モノマネだの、踊れだの、一発ギャグだの、そんなもんばかりだと思いきや
「全裸になるが、周りはノーリアクション。」
「やってもた!!」
そう叫んだのは早田。
全裸…?全裸って…
いや、そりゃ風呂で見慣れてるけども。
ぶーぶー言いながらも早田はきっちり服を全部脱いで再び座った。
周りは笑いを堪えながらも一応ノーリアクション。
何事もなかったように再開した。
「はい、じゃあ松山。」
うわー。まわってきたよ…
コロン、と転がすと「6」が出た。
「…4、5、6 」
な、何だ…???
「じゃじゃん!9マス進む」
「お」
「…8、9。5マス進む。1、2、3、4、5。8マス進む。1、2」
周りは「お!これはいきなりゴールか?!」なんて盛り上がるが、これは…
「2マス進む。1、2 じゃん!!振り出しに戻る〜」
「うおい!!」
はははは お約束vvとみんなが笑う。
っつか、途中からわかってたよ!!!俺も!!!!
若島津が不気味な踊りを踊って、日向が反町の恋愛話を暴露して、
新田が実は岬のことをちょっと怖いと思っていることが判明した頃。
「…8、9。5マス進む。1、2、3、4、5。8マス進む。1、2」
「わー!!またこのパターンかよ!!」
「振り出しに戻る。」
大半がコレにハマり出してしまった。
(俺に至っては3度目。)
「反町。これゴールせんぞ。」
「ですよねえ。」
日向に言われて反町はマジックを取り出した。
そして何やら書き書き…
「よっしゃ。これでOK〜」
にやーっと笑ってペンに蓋をする。
何か、嫌な予感…
「ほい、じゃあまっつん。」
サイコロを渡され、俺は額の前にサイコロを当てて思わず祈った。
(今書き直された目だけは勘弁!!)
「6!!」
ぎゃあーーーーーーーーーっっ
「おー。松山また出したねー。」
「…8、9。5マス進む。じゃーん!!」
2マス進むをかく
「…マス を かく?」
って、下ネタじゃねえか!!!!
「さー松山くん、やってもらいましょー」
「出来るかーーー!!!」
「ダメやぞ。松。命令は絶対やからな。俺かて開始早々からずっと全裸のままやで。」
「そうですよ。松山さん。俺だって初エッチについて事細かに話したんですから。」
「俺、前回マスかきちゃんとやったもんな。来生。」
「井沢はちゃんとやったぞ。」
最後までやれとは言わないから大丈夫、ってフォローされても… アホか!!!やれるか!!
「まっつん、みんな命令は絶対でやってるんだから、覚悟決めてよね。」
反町に改めてそう言われる。
…確かに。
みんなすごい暴露話をするハメになったり、青汁飲んだり、恥ずかしい思いをしたりしている中、
俺一人振り出しに戻ってただけだ… 何もしてねえ…
「…わかったよ。」
俺も男だ。
約束は守らねば。
恥ずかしいのは一瞬だけだ!!!
と、いらんところで男気を見せようとジャージのズボンに手をかけたその時
「松山のマスかきを見てもいいのは俺だけだ。」
その手を掴んだのは日向だった。
……っつか、お前、今、何を言った???
「…………」
思考停止。
「な。若島津。」
「俺に な。 って言われても困ります。」
真っ白になった頭の中が、今度はぐつぐつと真っ赤に煮えたぎるのがわかった。
「気味の悪いことを言うんじゃねえええええええ!!!!!」
バキーーーーっっ
思いっきりグーでぶん殴ってやった。
「てめーーー!!なにしやがる!!!」
「こっちの台詞だ!!何わけのわからんことを言ってんだ!!」
「思ってることを言ったまでだ!!」
「何を思ってるんだお前は一体!!!」
大乱闘。
当然すごろくどころではない。
みんながわあわあ言いながら俺と日向をようやく押さえつけた頃、
「何を騒いでるんだ!!!」
と入ってきたのはもちろん三杉。
「…いや、ちょっと。」
「ちょっとじゃない!!!」
反町がこっそりすごろくをベッドの下へと隠した。
「…なんで早田は裸なんだい?」
「そこはツッコまんといてくれ。」
だが懲りずに次の合宿でもすごろく大会は行われるのであった。
(完)
失礼しました!!!(笑)
くだらないものが書きたくなりましてね…
Y興業のDVDを見て、これをネタにしてやろう!と。
まさか29ちゃんのマスかきを見られるとは…(笑)
(もちろんモザイクですよ。)
いつの間にかほぼ全員全裸になってるし!!
すごいDVDを出したもんだよY興業…
マツコジが付き合ってるかどうかは微妙ですが
とりあえず日向さん、ド天然に松山ラブvvvという変な設定。