「もしもし?日向?」
「・・・おう。」
久しぶりのオフ。
自宅でだらだらとくつろいでいた日向の携帯に電話してきたのは他でもない、松山だった。
一応(・・・一応?)お付き合いっちゅーもんを始めて数ヶ月・・・。
電話に出ない、と言えば松山。
メールを返さない、と言えば松山。
つれないお人、と言えば松山。
な、松山から突然の電話。
正直、あの愛の告白と、思い出すのも照れくさい初チューは夢か幻だったんじゃないか・・・とさえ思い始めた今日この頃。
そんな日向には松山からの電話は、「え?もう別れ話?」とさえ思わされるドキドキものであった・・・。
あ、ちなみに、初エッチはまだデス。(早くしたいデス・・・ 日向談)
「なんだ?いきなり。珍しい・・・」
内心、かなりどぎまぎしながら日向は尋ねる。
「あのな、お前、来月の予定ってもう決まってる?」
「来月?ちょっと待て。」
別れ話でなくて良かった・・・と思いながら、ベッドの上に放り投げてあった鞄をあさり、手帳を取り出す。
「俺、20日から3日間もオフとれちゃったんだけど、そっち行っていい?」
「・・・・・・・・」
今、なんつった?
ソッチイッテイイ?っつったか?
いいに決まってんだろ!!そんなもん!!!!
「・・・・空ける。」
「空くのか?」
「なんとかなる。」
と、ろくに予定も確認せず、日向は即答した。
「そんでさ、俺、ディズニー行きたいんだけど!ランドの方!!」
「・・・・・ファミレスか?」
「それはデニーズだろーが!!」
鋭い(?)ツッコミのあと、日向のボケにしてはいいぞぉ〜っと、やけに嬉しそうに松山が言った。
「ディズニーだよ。ディズニーランド。」
「あ、ああ。そっちのな。」
「そっちのなってどっちのだよ・・・。わかってんのか?ネズミのミッキーちゃんのディズニーだぞ?」
「わ、わかってるに決まってんだろ。」
「俺さあ、実はまだ一回も行ったことねえんだよ。
家族旅行で行く事になった時は熱出して一人で留守番してたし、修学旅行ん時は浅草が思いのほか楽しくて時間潰しちゃったし、
この前も三杉がせっかく誘ってくれたのに次の日試合でどうしても帰らなくちゃならなくて・・・。」
なんか縁がないんだよなあ・・・と、一通りぶつくさと文句をたれた。
「じゃ、そーゆーことで。よろしくな。」
「・・・・おう・・・」
・・・・・・・・・・・どこ?
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同日、三杉淳の携帯へのメール
着信>>>ネズミーランドってどこだ?
げほっ ごほごほっ・・・
「・・・・・・・日向・・・」
飲んでいたロイヤルミルクティーを思いっきり吹き出しそうになってしまったじゃないか・・・。
三杉はコホンと咳払いすると、テーブルにカップを置いた。
これは・・・
冗談なんだろうか?天然なんだろうか?あるいはこの僕相手にキレのあるツッコミでも求めているのだろうか・・・?
量りかねるところだ・・・と思いながらも、三杉は的確な返事を返すことにした。
送信>>>小笠原諸島の父島にあるアフリカンドワーフマウスからカピバラまで集めたげっ歯類天国のことだよ。
ちなみに船は週に1回、片道25時間はかかるから注意するように。
さあ、どうする?!日向さん!!
なんか、思いつきで書いてみました。
思い出すのも照れくさい初チューとやらがどんなもんか教えて欲しいっすね。