*「それでも雪に憧れる。」→「やっぱり雪に憧れる。」→「まだまだ雪に憧れる。」
→「とことん雪に憧れる。」 の続き???です。
その日の自由時間。
食堂で日向と並んでお茶を飲む。
一応、お付き合いというものをしている俺たちだが、合宿中に堂々とイチャイチャするわけにもいかず、
かと言って合宿や試合以外で会うことなんて年に一回あればいい方なので、
こういうのも貴重なデート…と言っても過言ではないわけで。
別に大して実のある会話をするわけじゃないけど、こうして隣にいるだけでも俺は…
「今日は冷えるな。」
「うん。…な、日向」
「ん?」
「…なんでもない。」
言いながら、にやにやしてしまう自分がいる。
俺、今幸せなんだ〜wなんて言ったら、日向はどんな顔をするだろう?
ドラマが終わってCMになって、ローカルの天気予報が始まった。
『西から低気圧の雲が広がってきていますね。全国的に雪が降るところが多くなりそうです。
静岡でも明日は朝窓の外を見たら雪、ということもあるかもしれませんね。』
「マジかーーー?!!」
と、叫んだのは新田で。
「絶対ないって。」
と、言ったのは井沢で。
「俺んちのあたりなら降るかも〜w」
と、楽しげなのは滝で。
ああ、また南葛組の冬の風物詩だなあ…なんてまったりと考えていたら
「本当だろうな?!本当に、本当なんだろうな?!!気象予報士!!」
テレビに向かってすげー話しかけている若林が目に入った。
だから、お前はドイツで雪なんか見飽きてるだろーが。
「若林さん、降ると思います?」
井沢が尋ねる。
「ま、まあ …みぞれ混じりの雨がいいとこなんじゃないか?」
テレビの中の気象予報士に本気で噛みついてしまったことが恥ずかしかったのか、
若林はコホン、と咳払いをして答えた。
「ああ。いい線ですね。」
うんうん、と頷きながら井沢が言うと
「せんせー!みぞれは雪ですかー?」
って!!俺に振るなよ新田!!!!
「えっ… み、みぞれはみぞれで、雪とは違うだろ」
「そっかー。やっぱ違うか〜」
がっかりする新田に、来生が「ここいらでは、雨か、雨ではない別のものかしかないよな」と言う。
雨でなければ、雪も風花もみぞれもあられも同じ括りらしい。
ざっくり分け過ぎだっつーの。
はあ、と小さくため息をつくと、日向が「どーでもいい会話だな。」と笑った。
日向が住んでるあたりも雪は珍しくもないんだろう。
「なあ、松山。賭けをしないか?」
「賭け???」
「明日の朝、窓の外を見たら雪が降ってるかどうか。
やつらの言い分だと、雨じゃなければ大きな括りで雪らしいから、みぞれでもOKだ。
俺は降る方に賭ける。もし降ったら…」
「降ったら?」
「今年まだ発動していないエロマツコジを発動させてもらうぜ!!!!」
「なんだそりゃ?!」
「ネンマツコジで叶わなかった、松山がエロ全開で俺に迫りまくってくる、を今度こそやってもらう!」
っつか、もう雪シリーズから外れてるし…
むしろ賭けシリーズになってるし…
「えー。じゃあ、俺降らない方に賭けるってこと?」
「そうだな。」
「うーん。前回反町と浮気したからなあ。雪シリーズは割とラブラブだったから…」
「おう。マツコジでSMだろうとコスプレだろうと変態プレイだろうとどんとこいだ。」
「今回は、若島津と浮気で。」
「なぬーーーーーっっ?!!!!」
「いや、多分やったことないから。若島津とは。」
俺と日向の運命やいかに!!!!
明日の朝をお楽しみに!!!
(完)
雪シリーズからの賭けシリーズ(笑)
健ちゃんは日向さんか反町と絡ませたことはあったけど
松山とは多分ないな…と思って。
明日の朝、どうかなあ?
まあ、朝一ではなく昼までに降れば日向さんの勝ちかな。
みぞれもOKなので、日向さんの方が有利かも。
とか言っておいて、「やっぱ降らないんかーい!!」ってなりそうな気もするけど(笑)
今回も、結果はどちらでも裏館に続きます。