「翼!お前が好きだ!!」
「うん!俺もだよ松山君!!」
「そうか!俺たち両想いだったんだな!!!」
「そうだね!!じゃあ一緒にサッカーしよう!!」
…え??何で????
と、言おうとした時には翼の後ろ姿は随分遠くにあった。

「ぅわあ!!!!」
がばっと身体を起こすと、そこは合宿所の部屋。
ああ、そうだった。
俺、昨日から合宿に入ったんだった…
(…変な夢見たぁ〜…)
「松山君、大丈夫?」
「わ、悪ぃ」
向こう側のベッドから聞こえてきたのは翼の声だった。
珍しく、本当に珍しく今回は翼と同室。
正直なこと言えば、実はかなり緊張していた。
翼はもちろんチームメイトだし友達だけど、
やっぱり他の奴らとは違って、憧れているというか尊敬しているというか…
雲の上の存在とまでは言わないが、それに近いものさえ感じることもあった。
それに…
(…翼 と同じ部屋になったから… あんな夢…)
あの夢は、たぶん、願望。
小学生の頃に芽生えた想いは、今、俺の中であの頃の「好き」とは別の意味になっていた。
そう、俺は…
「松山君ってさ」
「うん?」
「俺のこと、好きだったの?」
「え?!!!」
「寝言で言ってたよ。」
「//////」
ぎゃーーーーー!!!
俺そんなことまで叫んでたのか?!!
めちゃくちゃ恥ずかしいじゃないかーーーーっっ!!
「そ、それはっ」
「嬉しい。」
「へ?」
「だって、俺も松山君のこと、好き、だから。」
「っ…」
え?
え???

ええええええええええーーーーーーーーー?!!!!

翼はベッドから抜け出して、俺のベッドの方まで歩いてきた。
それからおもむろにベッドの中に入り込んできて
「松山君もうちょっと向こう行ってよ。」
「は、はい…」
俺の胸のあたりに顔を寄せて、すりすりと擦りつけてきた。
「松山君の匂いだ…」
「……」
「みんなには内緒ね」
「う、うん…」
これは…
夢の続きなんだろうか…?
翼が俺のこと、好きだなんて。
でも…
俺は翼を優しく抱きしめた。
「夢でも、いいや」
「夢じゃないってば。」
「うん… 好きだ、翼…」
「俺もだよ。松山君。」
翼に軽くキスされた。
わあ…///
「俺、頑張って元気な赤ちゃん産むからね☆」
「……………」

…やっぱり 夢だな。うん。

そしてそれがようやく現実だと突き付けられ、またも絶叫するのは翌日の朝のことだった。


(完)
                 

なぜか一度消滅していたこのページ…
復活させられて良かった;;;

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