「おはようございます!日向先輩!!」

いつも通り朝練に向かう道中、満面の笑みでそう挨拶された。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松山?!」

そう、それはおれの恋人、松山光だった。
でも、その姿は・・・・・・・・・・。
おれは自分の耳と目を疑って、少し照れくさそうにニコニコしているその顔をまじまじと見た。

「・・・・・・・・・・・どうかしましたか?日向先輩」

どうかしてるのは・・・・・・・・・・・お前のほうじゃないのか?!
いるはずのない人間が、するはずのない表情と言葉遣いで、初めて聞くような呼称で自分を呼ぶ。
そして、その姿は小学生のように子供返りしていたのだった。


『happy man?』1


「松山??ああ、かっわいいですよね〜vv日向さん、慕われててまんざらでもないんじゃないですか??」
「まあ、松山はおれたち全員に礼儀正しいけど、日向さんにはもう、敬慕・・・って言っていいくらいだからな」

反町と若島津がテトラパック牛乳を飲みながら真顔で言う。
どうやら松山は中学1年生で、中等部サッカー部員のようだった。
道理で小学生みたいな容貌だった。そう、小学生大会の時みたいな・・・・・・。
夢かな?って思ってしばらく様子を見たけど、朝練が終わっても、授業が終わっても、
こうして昼食を取っていても目は覚めそうになかった。
ん・・・・・ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜??

「・・・・・・・・・・・・・・・・・で?おれとあいつって・・・・・どんな関係なんだ??」

おれと松山の・・・その、同い年の方の松山との関係を知っている・・・というか、
いつの間にか知っていた2人におずおずと聞いてみる。
敬慕っていうことは・・・・・そうなのか??

「どうもなにも・・・・先輩と後輩じゃないですか?日向さんに憧れて、東邦に特待生できて・・・・」
「まあ、3年離れてるから、一緒にプレーはできないけど、間近で見たい、絶対見てみたい!!
 ってスゴイ熱の入れようだったですよね」
「そう・・・・・・・・・・・か・・・・・・・・・・・・・・・・」

確かに松山は・・・・・・・。
先輩とかの目上の者に対しての礼儀正しさは完璧だ。
だから、年長者からも可愛がられていて・・・それが面白くなくって怒ったおれと良くケンカしたくらいで・・・・・。
というか・・・・同世代の仲間にも感じが良くって・・・要するに、おれにだけカワイクなかったわけなんだけど。
いつしか、カワイクナイのが、カワイク見えてきて・・・・・。
色々あって・・・そんな関係になって・・・・・・。
カワイクナイ態度は相変わらずだけど、誰にも見せないカワイイ姿も見せてくれるようになって・・・・・・。

「日向さん??どうしました?」
「すっごくニヤけてますけど?」
「あ・・・・・・・・・・・ちっと・・・・・・何だ・・・思い出し笑いだ」

と、誤魔化してみる。
でも、実際のその・・・同い年のあいつは北海道にいるのだ。
松山が中学生で東邦にいるのなら・・・・・高校生のあいつはどこに行ってしまったのだろう??

「なあ、松山って・・・・ふらのにもいないのか?その・・・高校生で」

ダメ元で聞いてみる。

「え?お兄さんがいるっていうのは聞いたことないですけど?」
「そう・・・・・・・か・・・・・・・・・・」

そうか。
そうじゃないかと思ったが・・・・やっぱりこれは夢じゃなくって、松山だけが中学生で東邦にいるっていう・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・パラレルワールドなんだ。

「でも、日向さん元気になって良かったですよ」
「え?」
「小泉さんが片桐さんと結婚した時は・・・本気で落ち込んでましたからね」
「そうそう。京子さ〜ん!どうしてそんなに早く・・・・って。そんなに早くないですけどね〜」

と、カラカラと笑う。
京子さんと片桐さんが??
その図を想像して思わず噴き出してしまった。目の前の2人は怪訝そうになってたけど・・・・・・・
こっちのおれは・・・・ノン気だったのか?!
そして、京子さんを・・・・・・・・?!
おお・・・・あり得ねえ・・・・・・・・。

「あ・・・・・・・・・・・あんな・・・・牙の生えそろった女豹みたいな人を・・・・・・・」

そうつぶやくと、『まあ・・・なんにせよ、目が醒めて良かったですね』と慰めてくれる2人だった。

「日向先輩!!ちょっとシュートを見てもらってもいいですか??」
「お・・・・・・・おう・・・・・・・・」

見たことのないような表情で、『大好き〜vv』みたいに接してくる小学生みたいな松山。

遠距離恋愛で・・・そんな関係とはいえ、たまにしかソンナコトはできなくって・・・・・・。
正直、欲求不満・・・まではいかなくても・・・・それに近い感じなのである。
勿論・・・おれは同い年のあいつが好きなのであって、
あの微妙にカワイクないところも含めて好きなのであって・・・・
でも・・・・・・

「日向先輩??」

小首を傾げて・・・気持ち大きな目で見上げてくる・・・のはやっぱり松山で・・・・・・
おれは・・・・・・・・・・・・・・戻れるんだろうか??
・・・・・・って言うか・・・・・・おれは・・・・この松山といて・・・・
理性が保てるのだろうか??????

短パン姿で汗だくになってシュートをしている姿を見て・・・かなり自信がを持てないおれなのであった。

(続く)


haruharu様より頂きました!!
むふふふ… 続きますよーーーーー(><)
松山が中学生、日向さん高校生、しかも松山→日向に憧れている!!!という
そんな無茶ぶり設定をお願いさせて頂きました!!
我ながら無茶ぶり… haruharuさんごめんなさい…
でもでも!!超素敵なお話ありがとうございますうううううっっ
さすがharuharuさん〜vvvv
どうする?中坊の松山を目の前にして困ってるぞ日向さんvvvv
なにげに日向→小泉設定にも食いついた私です…

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