「せんぱ〜いvvvvv」
「うぎゃっ!!」

松山(小)はかなり愛情表現が真っ直ぐだ。

―てめえなんて・・・・・嫌いだ!!

って、言う時は、かなりおれが大好きな松山(大)とは大違いだ。
しつこいようだが、あれはあれで・・・その・・・いいンだけどな。
なんて松山(大)の赤くなって怒る姿を想像しながら・・・・松山(小)の熱烈ボディーアタックを受けて・・・・・
朝からトイレに駆け込むおれは、早く元の世界に帰りたいような帰りたくないような・・・・
複雑な気分なのであった。


『happy man?』2


だけど・・・・・・・・・・・・・・・。
ふと、思ってしまった。
おれが“松山が中学生の世界”にいるということは・・・・・・
ここにいたおれは元々おれがいた世界にいるのだろうか?と。
そう・・・・“高校生松山がいる世界”に・・・・・・。

・・・・・・そうだ。
いくらこっちのおれはノン気だったとはいえ・・・・松山と一緒にいて平気なんて・・・おれだったらあり得ない。
そんなおれは最早おれではない。
でも・・・・・松山とそうなるのはやっぱり、おれなわけだから・・・・いいのか??
や・・・・・でも、“おれ”だけど・・・・・それはおれじゃねえし・・・・・・。

・・・・・なんだ・・・・・・なんか、ややこしいぞ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「日向さん、いつもながら朝からお元気ですね」
「た・・・・・タケシ??何で知ってるんだ??」

おれがトイレに駆け込んだところを見てたのか?!

「・・・・・・・・・何がですか?」

と、きょとんとして言う。
ああ・・・・びっくりした。そうだよな、タケシがそんな皮肉交じりのことを言うわけがねえ・・・・・。

「あれ?今日は松山君と一緒じゃないんですか?」
「・・・・・・・・・・・松山君・・・・・・は、中等部の方に行ったぞ」

そうか・・・・タケシは中2だから、中1の松山は後輩なのか・・・・・・・。
何だか色々面白い・・・・・・・・・。
そういえばタケシは後輩には『君』を付けてたな。
体育会系にあるまじき不届き者だって、若島津がいっつも言ってたっけ。

「そういえば、今度のユース合宿、ボクと松山君と南葛の岬君が特別に参加させていただくことになったんですよ」
「ユース・・・・・・・・・・・・・・合宿??」
「ええ、Jr.ユースは大会が終わりましたし。勿論、終盤ではお邪魔になってはいけないので、
 途中で帰らせていただきますが」

・・・・・・・・・・・・・・・・ユース合宿!!!

そ・・・・・そうだ。何だってそんな肝心なことを忘れてたんだ!
来週からユース合宿じゃねえか。それはこっちの世界も一緒なんだ・・・・・・・・・。
ち・・・・・・ちくしょう・・・・・・数少ない松山との逢瀬が!!

「帰ってやる・・・・・・・・・・・・・・・」
「はい?」
「絶対それまでには元の世界に・・・・」
「日向さん?」
「あ・・・・・ああ。何でもないぞ、タケシ!!お前なら邪魔ってことはねえだろうけどな。よろしくな」
「はい!」

と、爽やかに挨拶していく。
ちょっと、違う形だけど・・・・・同じように礼儀正しい松山。
こっちの世界はおれをイラつかせるモノは少ないらしい。
でも・・・・・・・・・・・・・・・
イラつかせる松山がいない代わりに・・・・、あの可愛げのない可愛い松山もいない・・・・・・・。
って言うか・・・・・まてよ?元の世界でも合宿だよな??

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヤバい・・・・・・・・・・・・・・・・・。

色んな意味で、来週までに元に戻らなければ・・・・・。
“おれと松山が恋人のあっちの世界”もヤバいことになる。
“こっちの世界のおれ”がノン気なら尚更・・・・・・・・・・・・・・
いや、久々に会うおれと多分・・・・
そんなことをするって思ってる松山に“こっちの世界のおれ”が悩殺されても・・・・・・・困る!!
そいつはおれだけど・・・・やっぱり、おれじゃねえんだ!!!!!
おれ以外のおれに松山が・・・・なんて・・・・許せねえ!!

・・・・とにかく、とにかく一刻も早く戻らなければ!!ということだけは決心した。

取り返しがつかなくなる前に!!
Back to my world!!だ!!

「でも・・・・・・・・・・・・・あれ??タケシのヤツ・・・・“岬君”って言ってたか??」

タケシが岬のことを『岬君』と呼んでいたことに、だいぶ遅れて気が付いたおれなのであった。


(続く)



新田のようなかわゆい松山にドキドキvvv
っつか、みさっくんも?!!ねえみさっくんも?!!
ドキドキ…vvvv



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