***ご注意***

こちらのお話はオリジナルキャラのみしか登場しません。
また、若干エロを含みます。
興味のない方、18歳未満の方はとばしてくださいね〜っっ



翌日、朝早くに早速片山は駅に大地を迎えに行った。
「片山!」
あんまり久しぶりだったので、思わず返事代わりに大地を抱きしめてしまう。
「ちょっ・・・///
朝のラッシュ時間は過ぎているとはいえ、それなりに人はいる。
人目を気にしながら顔を赤くする大地だが、それでもなんだか嬉しそうである。
「元気してた?」
「寂しくて死んじゃいそうだった。」
「嘘つけ。」
片山は本当だよ、と言うと大地の手を握った。
有無も言わさず振り払われるかと思ったが、手は握られたままだった。
「じゃ、行くか。」
「どこへ?」
「ホテル。」
「ばか!」
そこでさすがに手を振り払われて、片山は背中をバシっと叩かれた。
「朝っぱらから何言ってんだよっ
///
「だって、別に見るとこなんてないぜ。?」
二人は歩き、駅の外へと出た。むっとした空気が身体にまとわりつくようである。
まだ午前中なのに日差しは強く、気温はぐんぐん上がっている。
「ここには掛川城とつま恋しかありませんよ。遥くん。」
と、片山が冗談めいて言う。(あ、掛川花●園とかもありますね・・・。)
「ついでにプールなんて行く元気ねえかんな。」
「えー、でも俺ちょっと温泉入りたいな。」
「年寄りかよ。」
「いいじゃん。温泉気持ちーじゃん。」
「セックスだって気持ちーだろ。」
「変なこと言うな!!」
「・・・じゃあさ、」
片山はもう一度大地の手をとり、顔を近づけて言った。
「とりあえずホテル行ってー、その後温泉行ってー、それで三杉に会う?
夕方ならきっと戻ってるから。あいつ。」
「?どこ行ってるの?」
「病院。お前と入れ違いで東京。」
「そうなんだ。」
「それでいい?」
三杉の話でなんとなく、うん、と思わず返事をしそうになって、
そこでようやく大地は一番最初の目的地を思い出した。
「・・・で、でもまだ午前中だよ?」
午前中っつーか、朝っぱらですがな、お兄さん方・・・。
「フリータイムでやりまくりたいんだけどな、俺は。」
にやにやと笑いながら大地を見ると、少し照れて口を尖らせている。

「お、お昼ご飯とかどうするんだよ。」
「ルームサービスとれるとこ見つけたから。そこ行こ。」
「・・・そーゆーとこは準備万端だよね。片山って。」
「当然。」
あからさまに嬉しそうな顔をして、片山は大地を連れ歩き出した。

まるで地元民がごとく、繁華街を少しはずれた裏道に入っていく。
「ねえねえ、大空翼とかいるの?」
「いや、彼はブラジルだから今回は参加してない。」
「じゃあ、岬太郎とか、南葛高校の人はいる?」
「いるよ。」
大地は少し興奮気味に、すげー、と言った。
「今のうちにサインもらっておこうかな。」
「それは正解かもしんねえ。」
顔を見合わせて笑う。久しぶりの大地の笑顔に、片山はすっかり癒されモード。


片山と大地が付き合い始めたのは中学の卒業式からだった。
片山と三杉は3年の時に、大地と三杉は1、2年の時に同じクラスで、片山と大地は3年間、
一度も同じクラスになったことはなかった。
つまり、三杉を通しての遠い友人だったのだ。
ただ、将来工学関係の研究者になりたいと思っていた片山がいつまでたっても理数系で学年トップをとれなかったのは
大地がいたから、ということで、自分の中で勝手にライバル視していたのは否定できない。
同時にその頃から「工学の天才」と呼ばれていた彼に憧れていたのも事実である。
卒業式の日、ひとしきり友達たちと別れの挨拶をかわした頃、片山は大地に呼び出され、
漫画みたいにグラウンドの隅の人気のないところで顔をつきあわせていた。


「何?」
片山が言うと、大地はしばらく考えた後、口を開いた。
「片山って、今彼女いる?」
「え?」
片山はしばらく考えを巡らせた。
その頃の彼は来る者拒まず、よりどりみどり、とっかえひっかえのサイテー君だったのだ。
本人もある程度、「どこかで刺されるかもしれん。」と思っていたとかいないとか。
実際、「本命」なんてものはおらず、告白されて嫌いなタイプでなければ付き合って、疲れたら別れる。
そんなことを繰り返していた。
卒業式のその日もその時付き合っていた彼女と別れた。
東邦は寮制の男子校だし、ここからは結構遠いので中途半端に遠距離になってもめんどくさいし。
だから、例えばもしかして、その別れた彼女のことを大地は好きなのか、
とか、それとももっと以前に付き合った彼女のことで話があるとか・・・?
とにかく、その頃は大地とはそれほど仲が良かったわけではないので、
ありとあらゆる可能性を瞬時にぐるぐると考えた。

「今はいないけど。」

「・・・」
大地はうつむき、それから、何か決心したように上を向いた。
そして・・・

「俺、片山のこと好きなんだけど。」

「・・・え」

そうくるとは思わなかった・・・。

「それで、俺、東邦受けたんだ。」

・・・それも知らなかった。ってか、そんなんで進路決めるなよ・・・。

「俺と付き合ってくれない?」
いや、付き合ってって、お前、男同士だぞ・・・?
さすがの片山さんも返答に困る。

「・・・遥、」

「俺のことどう思ってる?」

「どうって・・・」

「俺のこと嫌い?」

「いや、嫌いじゃないよ。」

即答すると、大地は少しほっとした顔をした。

「・・・その、ごめん。いきなりでなんて言っていいか・・・。」

「そうだよね。ごめん。びっくりさせて。いいんだ。また片山と同じ学校に通えるってだけで俺嬉しいから。
本当は第二ボタンもらおうかと思ったんだけど、やっぱりとられちゃったね。」
学ランのボタンは一個も残っていなかった。ついでYシャツのボタンもほとんど。
後輩の女の子達に持っていかれて、ちょっとセクシーなくらいに前がはだけた状態。

「じゃあ、それ、もらってもいいかな。」
しばらく考えた後大地が指さしたのは、襟についた学年バッヂだった。
「・・・いいよ。」
片山ははずすと大地に渡した。大地は微笑み、ありがとう、と言うと、大事そうにポケットにしまった。

「片山、」

「うん?」

「キ、キスしてもいい?」

「え?」

大地は顔を真っ赤にして言った。
片山は頬を人差し指で掻きながらなんとなく目線を泳がせ、それからもう一度大地を見た。

「・・・どうぞ。」

すっと目を閉じる。
大地は背伸びする。が・・・
「かがんでくれないと届かないんだけど。」
少しだけ怒った口調。
片山は思わず笑いを堪える。実はわかっていてわざとやった。
真っ赤に顔を染め、一生懸命な大地がなんだかかわいらしく思えてきて・・・。
片山が体勢を低くすると、ためらいがちな大地の唇がゆっくりと片山の唇に重なった。
それだけのキス。小さく震えているのが片山に伝わる。
きっとすごく緊張してるんだろう。

「・・・」

唇が離れ、目が合うと、大地はさらに顔を真っ赤にしてうつむいた。
そして小さな声で、ありがとう、と言った。

「・・・遥」

「・・・」

「顔あげろよ。」

「・・・何?」

恥ずかしくて顔も見れない、と言わんばかりだ。
片山は微笑むと言った。

「キスってこうやんだぞ。」

「っ・・・」

大地の顎を掴み、唇を重ねる。驚いた大地の身体がこわばる。
片山はすぐに唇を離すと大地の顔を見た。
目をぎゅっとつぶって、肩にはすごく力が入っている。

「口、少し開いて。」

「・・・え」

またすぐに口付け。今度は深く。舌を挿し込むと大地は身体を震わせた。


「うーんと、付き合う?」

しばらくのキスの後、少しだけ照れながら片山は言った。

「ええ?!」
自分から告白したくせに、大地はものすごく驚いて目を見開いた。
「ななな、何で?!」
「何でって。」
「俺、男だし、」
「お前から告ったんだろが。」
「だけど」
「んだよ。不満かよ?」

「そんなことっ・・・」

片山はにっこりと笑って手を差し出した。

「これからよろしく。」

「・・・あ、はい。」
二人は握手をかわした。
なんだかやたら嬉しそうな顔で、片山はブンブンと手を振る。
変なの、と大地が笑って言った。


そうして二人は付き合い始めたわけだが・・・。
始めのうちは大地はなんでか片山を彼女扱いだったのだが、結局初エッチの時・・・

「お前、やり方知らないでラブホ入ろうなんて言ったのか・・・?」

「なんとかなるかなって思って。」

なるか、アホ。片山は心の中でつっこみを入れざるを得ない。

「しょーがねーなあ。」

よっこらしょ、と、片山は体勢を逆転し、大地の上に乗った。
よくよく考えたら、大地は女ともしたことがない。これが本当の記念すべき初エッチだったのだ。
「まあ、こっちの方が自然だしな。」
「・・・は?」
「痛くしないから、覚悟しろ。」
片山はにっこり微笑んだ。
「な、な、なんだよそれーーーーー!!!」
大地の叫び声はむなしくどこぞに吸い込まれていく。
でもって、この日から二人のそういう意味での上下関係は決まってしまったのである・・・。



「ん、ん・・・」

久しぶりの大地の声に、片山は興奮していた。

「もっと、声、出せって。」
「や・・・だ・・・ 恥ずか、しいっ・・・」
潤んだ目をうっすら開けて、大地は言った。
そんな目されたらいじめたくなるじゃねえか、と、いじわるな笑みを浮かべる片山。

「んああ!!」

大地の腰を持ち上げ、さらに深く挿入する。たまらず大地は声を上げ、シーツを掴んだ。
今度は体勢を変えて後ろから。そのまま手を大地自身に伸ばす。

「あっ・・・ だめ、片山っ・・・ すぐいっちゃう・・・っ」

「俺も・・・ もういくから・・・」

「あっ・・・ ああぁっ!!!」

大地が果て、片山もすぐに達した。実はもう3度目だったりする。(元気だね。)
「はあ、はあ・・・」
「片山・・・」
引き抜くとコンドームをはずし、口をしばってくずかごに捨てた。

「・・・ちょっと、休憩・・・」

大地はくったりとベッドに倒れている。

「あー腹減った。大地何か食う?」

「・・・今いらない。」

冗談じゃない、とも言いたげの大地の目。片山は笑いながら大地の髪を撫でる。
「今日はこの辺でやめとくか?」
「・・・片山、もっとしたいの?」

「したいけど、いいよ。お前しんどそうだし。」
大地はじーっと片山を見る。
「でも、またしばらくできないじゃん・・・」
「・・・」
拗ねる大地の横に寝転がり、キスをする。
「片山、浮気したら承知しないからね。」
「するかよ。男しかいねえっての。」
「・・・やっぱ、あとでもう一回する。」
そりゃ嬉しい限りだけど、俺って信用ねえな、と少々脱力。
「ばか。無理すんなよ。立てなくなるぞ。」
「いい。」
「よくない。」

「温泉つかって療養するもん。」

片山は苦笑いして、ぽんぽん、と大地の頭を撫でた。



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